こだわり配送
~ 地の目カットの重要性 ~
生地と洋裁への思い
丸十では、生地をただ「カットして送る」のではなく、「地の目に沿ったカット」を創業以来からこだわっております。仕上がりや着心地に影響する目に見えにくいけれど大切な工程です。
丸十がこの作業にどれほどの思いと技術を込めているか、ぜひ知っていただけたら嬉しく思います。
地の目とは?
生地は経糸(たていと)と緯糸(よこいと)で構成されています。「地の目」とはその織り目のことです。
型紙に描かれている「地の目線」は、生地の経糸(たていと)に平行に配置するべき位置を示しています。


カットは「生地の耳に沿って切ればよい」と思われがち。ですが、製造過程でどうしても発生する微妙なズレが、生地には存在します。
この地の目を正しく読み取って裁断することが、仕立てた服の形を整え、お洗濯後の着崩れを防ぐ第一歩になります。

地の目を無視したらどうなる?
「地の目なんて、気にしなくてもいいのでは?」そう思われるかもしれません。けれど実際には、地の目に沿っていない裁断は洋服の仕立てに大きく影響します。
たとえば…
・洗濯後に、洋服全体が変な形に歪む(スカートの裾が斜めになる、など)
・脇の縫い目がねじれて、前身頃にずれてくる
・左右が非対称になりやすい
こうした不具合は、生地の織り目に逆らって裁断したことで、着用や洗濯によって糸が本来の方向へ戻ろうと、歪みが生じるためです。丁寧に仕立てた服を長く愛用するには、裁断前に「地の目を正す」ことがとても大切です。


地の目カットには、経験が必要
スムーズな地の目カットの技術を習得するまでに平均して6ヶ月以上かかるほど、簡単にはできない作業です。特に、リバティプリントのタナローンのような細い糸は、目視だけで判断するのが難しいものです。


丸十では、経験豊富なスタッフが見極めながら一点一点丁寧にカットをしています。一見、端が少し斜めに見えることがあっても、地の目に沿ってカットしておりますのでご安心下さい。
裁断前に欠かせない準備「水通し」と「地直し」
丸十では、ご購入後の裁断前に「水通し」と「地直し」を推奨しています。生地の縮みや歪みを整えるための事前準備です。
水通しとは?
水で縮みやすい素材の性質を活かし、あらかじめ縮ませておく工程です。
地直しとは?
生地の縦と横がきちんと直角になるように整える作業です。
※ご自身で糸を引いて地直しをする場合
糸を引っ張って抜いていく際に、糸がプツプツ切れてうまく引き抜けない事があります。これはリバティプリントのタナローンのような細い糸に起こりやすいです。
丸十では、お客様がわざわざ大変な作業をしなくてもいいように、カットする段階で地の目でカットしています。
「地直しガイド」を無料プレゼント
- 「地直しは難しそう…」
- 「自分でできるか不安…」
そんな方にも安心していただけるよう、丸十では初回購入の方に『水通し・地直しガイド』を無料で同封しております。
生地が届いたその日から、正しい準備が始められるよう分かりやすくまとめた内容になっています。
仕立てを始める前の時間も、どうぞお楽しみください。

※地直しをしても地の目が戻らない場合
機械の力や長い時間をかけて地の目が歪んでしまった布地は、人力では戻らないことも。一通り地直しをしても戻らなければ、布地にとってその状態が安定しているので、そのままご使用下さい。
丸十では、生地が足りないという事を防ぐため、数センチ余分にカットしてお届けしています。
終わりに
丸十では、生地の一枚一枚がお客様の大切な作品に仕立てられることを思い、日々の業務に取り組んでいます。美しさや着心地を大きく左右するからこそ、私たちはそこに時間と手間を惜しみません。
これからも洋服を作る楽しさと、着る幸せをお届けしていきます。