ドレス生地の種類

レースとは、糸を撚り合わせたり、組み合わせたりして網状の透かし模様に作られた布の総称であり、針やボビンあるいは編み棒などを用いた手作りのものと、機械によって作られるものとがあります。

ドレスの美しさを表現するに多く用いられる素材です。 レースは大まかに、伸びないリジットレースと、伸縮性のある糸で編まれたストレッチレースの2種類にわかれます。

生地の表面が非常に滑らかで、美しく上品な光沢が一番の特徴。

縦糸もしくは横糸どちらかが表面に長く浮き出ることで光沢が現れ、糸と糸の交わる点が少なくなるほど光沢が増すという特性があります。

糸どおしの交わる点が少ない分、摩擦や引っ張る力には少々弱く、生地の強度はさほどありませんが、その美しい見た目から ウエディングドレスやセレモニードレス、ステージ衣装など「特別な服」の素材として用いられることが多いです。

ドレス用の生地としての汎用性が高く、様々なデザインのドレスに用いることが可能ですので、非常に人気の高い素材です。

ジャガード織りとは、織りによって模様を作るジャガード織機で織られた生地の事です。

フランスの発明家ジョゼフ・マリー・ジャカールが開発したこの織機によって1801年以降、ヨーロッパを中心に広く普及しました。

一般的な織り方は、紋紙(もんがみ)と呼ばれる、デザインの設計図を作成し、図に記された情報に従って染色・整経(せいけい) された糸を使い織り上げていく方法です。 紋紙にはオルゴールの様に穴の開いた部分と開いていない部分とがあり、 その穴の位置や有無を機械が読み取って判断し、情報に沿って布を織っていくという仕組みです。 ジャガード織りは模様がプリントされた生地とは違い、立体的に見えるという特徴があります。 縦糸と横糸を不規則に織っていくため、 複雑な柄も再現できます。また、洗濯をした際の色落ちをなるべく防げるよう、染料加工を行わずに仕上げている点も特徴です。

たて糸に生糸、よこ糸に玉糸を使用しており、よこ糸の節があるのが特徴の平織の生地です。

触り心地は少しハリのある風合いをしており、 初心者の方にも縫いやすい生地です。 最近はポリエステルの素材で作られたシャンタン生地が主流となっています。 ポリエステルとはいっても、光沢感や生地の風合いは本来シルクで作られるシャンタン生地に見劣りしないので 高級感のある素材としてお探しの方にはオススメの生地となります。

カラーも充実しているので入学式などのセレモニードレスや 結婚式などのパーティードレスからブラックやネイビーなどの定番色であればワンピースやジャケットなどを仕立てて、 ビジネスシーンの会食、ご友人とのカジュアルな食事会まで幅広く使用できるのがシャンタン生地のいいところです。

経糸と緯糸の平織物で、わずかによこ畝が現れるのが特徴です。

ハリがあり、光沢と滑らかな触り心地がある高級感のある生地です。 元々はシルクで作られた生地でしたが現在ではポリエステルやレーヨン、ナイロン、アセテートなどの合成繊維も使われており, 以前は高級な生地として取り扱われていたタフタ生地も、最近ではお手頃な価格のものもよく見かけるようになりました。 そのため、最近では普段のワードローブとしてのファッションアイテムも多く、近年多く見られるのはタフタのスカート。 ウエストギャザーのスカートは、年齢を問わず気軽に作れるお洋服として当店でも人気です。

高密度のタフタは、防風性に優れているためMA-1のようなジャケットの表地や裏地にも使われていたりとカジュアルなお洋服にも パーティードレスやイブニングドレスなどのフォーマルなシーンにも、タフタ生地の持つ高級感はマッチしており、幅広い場面で活躍する生地としてご紹介させていただいています。

オーガンジーは、糸むらがなくつるっとしていて、滑らかな手触りの薄手で程良いハリ感を持つ生地です。

透け感が上品さと透明感を演出し、独特の光沢感と弾力性が特徴です。また比較的強度の高い生地ですので、自宅で洗濯することが可能なものもあります。

元々は綿を使った織物ですが、現在はポリエステルやレーヨン、絹で織られることもあり、絹を使用したオーガンジーを「シルクオーガンジー」、ポリエステルを使用したオーガンジーを「ポリエステルオーガンジー」と呼びます。 「シルクオーガンジー」は、シルク特有の光沢感が表れる為、高級感のある風合いが特徴。「ポリエステルオーガンジー」は、強度が強く品質の安定性が特徴です。

「チュール」とは、多角形の網目をもつレース地の一種の事で、特にウェディング用のベールやドレスなどに使われる「亀甲目(きっこうめ)」 と言われる六角形の網目で構成されているネットが最も一般的です。

本来、絹が主な原材料でしたが現在では化学繊維でも生産されています。 近年は特にナイロン製のチュールが多く作られており、無地のチュールだけでなく、ラメが入ったチュールやプリントが施されたチュールなど、 多種多様なチュールもよく見かけるようになりました。

ウェディングなどの限られたシーンで使われる事の多いチュールですが、最近では スカートに重ねられたチュールや、袖・裾などで切り替えられたチュールも多く、 日常的なファッションにも使用されることも珍しくなくなり 多くの人に知られる素材となりました。

「ジョーゼット」という名前は元は商標名で、20世紀の初め、フランスでドレスメーカーを営んでいた婦人服商人ジョーゼット夫人 (Mdm.Georgette de la Plante)の名前から付けられたと言われており、 経糸・緯糸共に強撚糸(強くよりをかけた糸)を2本ずつ交互に使い、 平織りにした縮緬生地の事を言います。

透けるほどに薄い生地で、糸の密度も低いためひっかかりなどには弱い繊細な生地ですが、 保温性・保湿性がほぼなく、衣装用や春夏の暖かい時期のドレスなどで多く使われます。